@生命保険会社の役割
生命保険会社は、大勢の人々がお金を出し合い、お互いに助け合う相互扶助の精神で成り立っています。
そして、そのお金を共有の準備財産として万一のことがあった場合に経済的に助け合うしくみになっています。また、生命保険契約は、長期にわたるものが多く、生活設計に重要な役割を果たしていますので、生命保険の制度は永続性があり、安定したものでなければなりません。
そこで、生命保険に加入する人々が公平な保険料を支払い、適切な保障が受けられるように、生命保険の制度を健全に運営することが生命保険会社の役割をいえます。
A保険業法
生命保険会社は、大勢の契約者から保険料を集め、その共有の準備財産を管理・運用していますので、国民経済や生活に及ぼす影響も大きくなっています。
そこで、国は、生命保険事業が健全に運営されることにより、契約者等を保護するために、「保険業法」を定めています。そして、生命保険事業を免許事業をしたうえで、金融庁が監督や規制を行っています。
B生命保険会社の健全性
生命保険会社の経営の健全性を示す指標として、「ソルベンシー・マージン比率」や「基礎利率」などがあります。
(1)ソルベンシー・マージン比率
「ソルベンシー・マージン比率」とは、大震災や株の暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる支払余力をどのくらい有しているかを判断するための指標のことをいいます。
なおこの比率が200%を下回った場合には、金融庁長官によって早期に経営の健全性を回復するための措置(早期是正措置)がとられます。
〜参考〜 保険会社に対する早期是正措置の概要
区 分 |
ソルベンジー・マージン比率 |
措置の内容 |
非対称区分 |
200%以上 |
なし |
第一区分 |
100%以上200%未満 |
経営の健全性を確保するための改善計画の提出および実行の命令 |
第二区分 |
0%以上100%未満 |
次の保険金等の支払能力の充実に資する措置に係る命令
(1) 保険金等の支払能力に係る計画の提出およびその実行
(2) 配当または役員賞与の禁止またはその額の抑制
(3) 契約者配当または社員に対する剰余金の分配の禁止またはその額の抑制
(4) 新規に締結しようとする保険契約に係る保険料の計算の方法の変更
(5) 事業費の抑制など |
第三区分 |
0%未満 |
期限を付した業務の全部または一部の停止の命令 |
(2)基礎利益
「基礎利益」とは、一年間のの保険本業の収益力を示す指標のひとつで、一般の事業会社の営業利益や、銀行の業務純益に近いものです。ここでいう保険本業とは、収納した保険料や運用収益から保険金・年金・給付金などを支払ったり、将来の支払に備えるために責任準備金を積み立て、運用することなどをいいます。
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